仕事辞めてニート。地域と面白おかしく生きてます。 twitter:@GoingHoasi
地元から愛されるおはぎと人柄。楽あん誕生秘話から店主、黒木さんの魅力に迫る!
宮崎の人に会いに行く。
宮崎県日向市にひっそりと佇むお店『楽あん』。ここではおはぎをメインに販売を行うだけでなく、楽あん店主、黒木由香さんに「話を聞いて欲しい」と相談者が後を絶たない地元に愛されるお店です。
今回はそんな楽あんの誕生秘話について、黒木さんに直撃インタビューさせていただきました!
さっそく店内へ
今回の取材のため、さっそく店内へ入ると、すでにお客さんが。
写真:お客さんの相談に親身に応える黒木さん
ここへ来るお客さんのほとんどが「黒木さんに話を聞いて欲しい」と連日、楽あんへやってくるそうです。
きちんとお客さんが帰られるのを待って、さっそく取材開始!
楽あん誕生について
写真:笑顔でインタビューに応えてくれる黒木さん
―楽あん日向店が誕生したのはいつですか?
まず、地元の高鍋町に2015年7月7日に誕生してその翌年に日向店を作りました。それまではずっと夫の農園を手伝ってたんだけど、2014年に夫がくも膜下出血で倒れちゃって。
―えっ?旦那様が倒れたんですか?
うん。一命はとりとめたんだけど、リハビリが必要な状態で。意識が戻った時、夫に「これからどうしたい?」って訊いたの。死なずに済んだんだから、この人は生まれ変わったと思ってね。そしたら「体力的にも自信がないから辞めたい」って。すぐに「あ、そう。じゃあ辞めたら?」って言いました。それからは私が家計を助けることになったけど、夫が生きてるだけで良かったと思ったし。
それからすぐ知り合いに「大変やろ。うちの会社きない」と誘われて、夫が倒れて2週間しないうちに食品会社の会社員になった。一晩で高菜を使ったおにぎりの試作品を5種類作って、寝ないまま取引先に売り込みに行ったり、「食品会社の販売所を作って欲しい」と頼まれ、イチから作り上げたこともあった。そこの販売所がきっかけで楽あんが誕生したの。
写真:楽あんのおはぎ
―販売所で何があったのですか?
販売所では総菜コーナーもあって、そこで総菜も販売してた。で、ある時、そこで勤めてたパートさんが「私、おはぎあんまり好きじゃない」って言ったの。でも、私おはぎ大好きだったから「私の作ったおはぎ食べてみて!」って自分で作ったおはぎを食べさせたら好評だった。それで総菜コーナーで売り始めたのが、おはぎを売るきっかけだったね。
―おはぎ嫌いを克服させるおはぎ、凄いですね!
甘さ控えめだったから特に男性客に好評で。あと、あんこをたっぷり乗せてたのも良かったみたい。おはぎ好きな人ってあんこたくさんある方が好きじゃない。そのおはぎが写真撮って、SNSで発信されてたのは嬉しかった。で、食品会社を辞めてすぐ、楽あんを始めるために1000円だけ持って、あずきと砂糖を買ったの。
―えっ?お金1000円しか持ってなかったんですか?
お金は毎月ほとんど支払いに回してた。
だから1000円あっただけ奇跡(笑)
500円は材料に使って、残りはガソリン代。そのお金で作ったおはぎを高鍋町にあるめいりんの湯に持って行って売ったの。それが3000円になった。ここでの販売で資金を作って、最初の楽あん高鍋店をオープンしたの。
それでも始めたころ、家の方は電気ガス電話が止められてた。料理はパートさんが残ったガス缶を持ってきてくれて、カセットコンロで生活してた時もあったよ。
それに移動する車もなかった。知り合いの車屋に「中古の車を10万円で販売して欲しい」とお願いしたら、「これ乗ってていいよ」と車を持ってきてもらい、しばらく無料で使わせてくれた。
―なぜ、地元の人たちはそんなにも黒木さんを助けてくれたんですか?
多分、どうしても寄り添ってあげなきゃいけない人には昔から世話を焼いていた。とにかく放っておけない。そういう人たちから恩返しがたくさんあった。これは地元に限らずそうでしたね。
高鍋町の楽あんが火事で閉店
写真:全焼した楽あんの隣接店舗
多くの人たちから助けられ、軌道に乗り出した楽あん。しかし、再び黒木さんには試練が待ち構えていました。
―今年の6月、隣接するお店の火事が原因で、楽あん高鍋店は閉店したんですよね?
うん。突然のことでびっくりしたけど、私の人生波乱万丈だから(笑)私の周りも悲しんでる人いなかった。
ずっとピンチをチャンスに変えてきたから。
これからは楽あん高鍋店すぐの近くに「楽あんの里」っていうおはぎを売るだけじゃないカフェを作ろうとしてます。農業体験や音楽イベント、リンパケア、アロマタッチなど、いろんなことが体験できる場所ですね。これからどんどん、家族のような仲間たちと楽あんの里を作っていきます!
現在、クラウドファインディング実施中です。写真:黒木由香さんと記者
黒木由香さん、インタビューに応えていただき、ありがとうございました!