高卒で6年働いた後、社会人入試で大学へ入学/こどもが生まれた環境に左右されない社会つくりを目指したい
高校生に届けたいプログラミング学習と想い
生まれた環境に左右されない社会つくり
大阪府を拠点に活動している学生団体「CLACK(クラック)」!!
経済的・環境的に恵まれない高校生にプログラミングの学習とキャリア教育の機会を継続的に与える活動をしている。
9月に開始したクラウドファンディングでは、106人から180万円もの寄付を集めました。
https://camp-fire.jp/projects/view/87139
そんな学生団体「以下もCLACK」代表のひらいだいきさんにこれまでの軌跡や「CLACK」のこれからについてインタビューしてきました!!
◯CLACKはどんな活動をしているんですか?
ひらい: 大阪で経済的な理由やしんどい環境にいる高校生にプログラミングの学習機会と面白い大人と出会い、やりたいことを見つけていく機会を無料で継続して提供している団体です。
CLACKに通う高校生が、「進路やキャリアに関する様々な選択肢を知り、その中から進みたい方向を自分自身で決め、その目標に向かって自分で道筋をたて実現していける」そんな状態に半年間のプログラムでなれるように伴走していきます。
----なぜプログラミングだったんですか?
ひらい: 勉強が不得意な子に対して勉強を支援してもってのがあったんですよね。
企業の7割がエンジニア不足と言われています。小学生のプログラミング教育も必修化されました。実際に、オンラインのプログラミング教育は結構充実しているんですね。
でも、そもそもプログラミングを学ぼうと思ってもパソコンを持ってない家庭が多いので、パソコンの提供とプログラミングを学ぶ学習スペースを提供しています。
---直接教えてもらえるのは良いですね。
ひらい: 単発だと楽しいと思っても、子どもたちの継続力は個人差があるので半年間で集中して継続的にやっていくことでスキルを身につけてもらいたいという思いがあります。
◯そもそも、なぜ団体を立ち上げようと思ったのですか?
ひらい: それは僕の原体験が関係しています。僕の家は商売の家系で、小学校くらいまでは普通に生活していました。
でも、父親の自営業がうまくいかなくなって、そのタイミングで僕が中学生の時に親が離婚してしまったんですね。
そして、父と生活することになったんですが、経済的にかなりしんどい状況になったんです。
高校はなんとか進学校に行くことはできたのですが、偏差値の高い高校ほど裕福な子達が多くギャップを感じることがありました。
そして、僕は塾になんで通うの?ってなりそうなので、京都大学や大阪大学などの難関大学みたいな感じの方が良いかなと。塾に通うために部活をやめてアルバイトを始めたんです。
---塾に通うために、バイトしてる高校生だったんですね。自分が何をやりたいか明確に持っていたのはいつからですか?
ひらい: 浪人の時に、自分の時間が持てたことも大きかったです。浪人してからは、自分がお金ないことがすごく嫌で、起業して成功したいという考えもありました。
例えばアフリカに行ってビジネスで成功して、経済的に困難な状況の子どものための想いから財団を作りたいと考えたりもしたのですが、それって財団を作ったとしても、お金がすぐなくなってしまうんですね。
ちゃんとしたビジネスモデルを作って、運営していく形を作っていかないと数人の人にしか支援できないし、継続していかない。ちゃんとした社会起業を学びたいと思ったのが最初ですね。
◯大学入学してからどんな学生生活でしたか?
ひらい: 大学入学後はいろんなこと我慢してきたんで、もっと自分のやりたいことやってみよう!そして、おんなじような境遇の子どもにちょっとでも手助けできたらなっていう想いでした。
---それがNPO法人「あっとすくーる 」での活動に繋がってくるんですね。
※NPO法人以下もあっとすくーるとは
親が離婚したり、亡くなったり、あるいは結婚せずに子どもを育てたり。
そういう理由で親が1人の家庭を“ひとり親家庭”といいます。
“ひとり親家庭”は、いろいろなハンデがあります。
「経済的に大変だ」
「親子で一緒にいる時間がなかなかとれない」
「ひとり親ってだけで、変な目で見られる」
などなど、数えればキリがないくらいです。
でも、それって、しょうがないことなんでしょうか。
親が1人の家庭だってあってもいいし、今もどんどん増えている。
ただただ、親が1人ってだけで、いろんなハンデがある。それって、不平等な気がする。
じゃあ、平等な社会を創ればいいやん、ってことで、あっとすくーるができました。
ひらい 大学一年生の4月からあっとすくーるにはいて、いろんな子どもに対して3年半ほどはやってきました。自分自身がしんどい思いをしてきて、でもこうやって大学進学してやりたいことできているっていうのが子どもたちのロールモデルになると感じたんです。
活動を通して、子どもの貧困が叫ばれている中で、普通に楽しそうに生きている子もいる。しんどくて、もがきながら生きている子どももいる。そういうのを実際に見ることができて、解決しないとっていう気持ちが高まったんですよね。
---その想いが学生団体「CLACK」の立ち上げのベースにあるんですね。
ひらい: しんどい環境にいる子どもは周りの大人からも否定されたりしていて、希望を持てない傾向が強いと感じたんですね。
職業選択とか進路選択とか物理的な要因だけではなくて、心理的にも狭くなっていると思いました。だからCLACKは物理的な壁と心理的な壁を「取り払いたいという」の方がいいかな気持ちで活動しています。
◯CLACKの活動を通して感じる手応えを教えてください
ひらい: 8人ほど今来ていて、2、3人また増える予定です。(2018年10月31日現在) みんな楽しそうにしてるなって感じで、みんな頑張ってますよ。18時から21時でやってるんですけど、休憩の時間になってもあんまり休まずにやってる子もいます。
CLACKがアプローチしたい子が頑張ってくれていて、嬉しいです。 しんどい事情を抱えている生徒もいるんですけど、だからこそ熱意をすごく感じます。将来やりたいことの相談にも乗ったりしながらやっていますね。 みんな頑張ってくれているんで、僕らもそれに答えないとという感じです。
◯CLACKの将来のビジョンを教えてください。
ひらい: ビジョンとしては、「10年後に、今、しんどい想いをしている高校生の才能を引き出すためのプログラミングやキャリア教育などの”継続的な”取り組みが日本全国どこでも実施できている。そんな状態をこれから他の団体や企業と協力しながらつくっていきたいと思っています」
◯最後に高校生へメッセージをお願いします。
ひらい: 世の中って意外と甘いし、大人ってそんな捨てたもんじゃないよって。笑 面白いことはたくさんできるし、関わっている十代の起業家はすごく楽しそうにしています。みんなに可能性はあるので、きっかけを見つけられれば良いですし、見つけられなくても、CLACKみたいな支援団体を見つけられればなんかもっと面白いことできると思います。行動することが大切です。今しんどい状況でもいつでもチャンスはあります。何回でもやり直せる社会に近づいているので、希望は捨てないでほしいです。
学生団体「CLACK」代表ひらいだいきさん今日は本当にありがとうございました。