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映画ランナー

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企画 2018年03月26日

”雨のシーン”について考える。映画をもっと面白く観る為に

シネマラマ

ようこそ。シネマラマへ。(シネマラマについては、こちら

第1回目の連載のテーマ、「雨」です。

映像の上で“雨”はとても大きな役割を果たしています。

映画全編の中でも最も劇的な瞬間や、登場人物が大きな悲しみに直面した時に雨は降り注ぎます。

今回は、

  • オーソドックスな雨の使用例
  • 特殊なアングルにおける雨の効果
  • 私が最も好きな雨の中のプロポーズシーン

について考えてみます。

 

対象作品

『カサブランカ』(米:1942)

『シェルブールの雨傘』(仏:1964)

『The Office』より「Garage Sale」(米:2005-2013)

※注意 以下、上記作品の結末等に触れる言及があります。

 

手紙が泣いている

では名作『カサブランカ』から。主人公リックとイルザは戦争によって自分たちにも徐々に危険が差し迫っているのに気づき、一緒にパリから脱出する約束をします。4時に駅で待ち合わせをし、共に逃げようと。

 

土砂降りの雨の中、イルザを待つリック。しかし約束の時間になってもイルザは現わせません。

リックの元に彼女からの手紙が届けられます。手紙にはこう書かれていました。

Richard,
I cannot go with you or ever see you again. You must not ask why. Just believe that I love you. Go, my darling, and God bless you.
Ilsa

「一緒に行くことはできなくなりました。そしてもう二度と会うこともできないでしょう。理由は聞かないで。ただ私を信じて下さい。愛しています イルザ」

 

そして手紙に記されたインクの文字が雨によって滲み、カメラは滴り落ちていく様子を捉えます。

まるで手紙が泣いているように。

 

ここで観客には手紙が泣いているようにも見えるし、手紙を書いたイルザという女性が泣いているようにも見えるし、読んでいるリックが泣いているようにも見えます(すぐ後にリックは涙を流しているのがわかります)。

雨によって悲しい気分を高める手法は昔からあり、今現在でも頻繁に用いられています。

ただ、そこにもうひと工夫。

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