映画ランナー
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企画
2018年05月11日
服に隠された意味 / 『十二人の怒れる男』/ 『インサイド・ヘッド』
シネマラマ
page:2 - 首からぶら下がる罪の意識首からぶら下がる罪の意識
ここで私が興味深いなと思うのは二つ。
それは実はみんな白いものと黒いものをつけていることです。無罪を主張する陪審員8番は白のズボン、ジャケットも白を着用していますが、実はネクタイの色は黒に近い色です。
一方、残りの他の人物も白いシャツと黒に近い色のネクタイを着用しています。
私は、陪審員8番の中にも被告の青年が有罪であるかもしれないという疑念というネクタイが頭から完全には払しょくしていなかったことを示唆しているのではないかと考えています。
逆に、当初有罪を主張していた残りの陪審員たちも彼は潔白かもしれないという可能性を受け入れるだけの良心と合理的な理性という名のYシャツをちゃんと纏っていたのではないかと。
もう一点。この映画は幾度も、様々な国でリメイクされ続けている作品です。
リメイクされた順に並べるとドイツ、ノルウェー、インド、日本、ロシア、フランス、中国です。
そして実はこの映画自体テレビムービーのリメイクだったりします。
私が観た(確認した)オリジナルテレビ版、ドイツ版、日本版、ロシア版、インド版で上記のような色分けをした作品はありませんでした。
この無罪を主張する人間が白い服を着ていることから推測した説は実は推測の域を出ていません。ただ、そこに何か引っかかるものがあるのです。見えているものから見落としている何かがそこにあるかもしれない。だから、私なりの意見をここに書き表したかったんです。この映画の登場人物たちのようにね。